プロローグ ~フットワーク~
Kakumae Ukuleleでお馴染みの、長野県はT's Guitarさんにお邪魔してまいりました。
というのも、次回製作分のウクレレの材について打ち合わせをしていたところから始まります。
このIT時代、文明の利器に肖ってメールやなんかでやり取りをするわけですよね。
でも結局メールや電話では伝えきれないこと、ありますよね。
そんなとき、『思い立ったが吉日』といわんばかりにそのまま出発してしまうんです、ウチのワシさん。
そして、『思い立ったが吉日』といわんばかりに連(れて)行(こうと)決定(してました)!
ということでワタクシしょーこ、初の工場見学と相成りました!!
フットワークが日本一軽いんじゃないかというワシさん。
それに負けじとフットワークを軽く!をモットーに??着いて行くしょーこ。
トンデモ珍道中の始まりです。
第1章~早速別行動!~
着いて即、挨拶もそこそこに新アイディアの相談に入るワシさん。
なにやら気になることがあるようで、しょーこがT's Guitarさんというかそもそも出張も工場見学も初めてだとか、そんなことはもう一切置いておいて真剣トークです。
マンゴー馬場氏がそれに対して真摯に対応してくださっています。
一方その頃、紳士井上氏が『せっかくなので!』と工場の様々な場所を案内しながら様々な工程やそれぞれの機材があることを教えて下さります。
そうです、ワタクシ何を隠そうウクレレ初心者。
なにがどうなってウクレレができるのかがまだわからない私をスムーズに案内してくださる井上氏、いやさすがです!
資材庫や型、様々な機器に目を輝かせるお子様しょーこ。だって見るものすべてが新鮮なんですもの。
どうやって木を湾曲させるのか。どうやって成形するのか。
ネックはどう作られて、組み立てた後どう磨いて、塗装はどんなで…
ウクレレだけではなくギターも作っているので、いろいろ見せていただくと急にパーツが大きくなった感じがします(笑)
少数精鋭で見事なウクレレを作り出すT's Guitarさん、それぞれの担当分野でみなさん輝いていらっしゃって
職人さんという熱い心意気を生で体感してまいりました。
こういうのってすごいですよね!
なんとなくウクレレが視界に入っているだけなのと、その過程まで見た後とでは全く別物に見えてくるというか。
パッと見ただけでも可愛らしくて愛着が湧いているのに、より一層愛着が湧くというか。
皆さん、本当に楽器がお好きで愛情をこめて作っていらっしゃるなぁ…というのを肌で感じて、
なんだかほっこりと幸せな気分になりました。
第2章~材の選定(tkitki SAP-MAN)~
これですよ、これをしに来たんですよ我々(というかワシさん)は。
もう皆さんご存知かと思いますが、(株)TRがお送りいたしますtkitkiのSAP-MANシリーズ(知らない方はクリックしてね)
こちらの材の選定です。いやもうすごい!こんなのやあんなのがこの価格で!?という驚きの連続。
私はそれをひたすら眺めます(写真から伝わる距離感)
T's Guitarさん側で既にいろいろご提案してくださっていますが、そこに更にワシさんの好みを足していきます。
ここのこの部分をこの角度で使ってほしい、ここからこうやってこうなるようにあれをこうしてほしい…
まぁぁぁぁぁ次から次へと出てくる出てくるやりたいことと好みと希望!
勿論、それも楽器を愛するが故。その熱意に感化されますねこりゃ。
そして、それにしっかりと応えてくださるT's Guitarさん。
発注側と受注側、というだけではないお互いの信頼感がより良いウクレレへと着実に近づけています。
楽器を愛しウクレレを愛する人たちで作り上げるウクレレ。
まだフラットな板の状態でしたが既に楽しみでワクワクしてきましたよっ!
第3章~材の選定(tkitki Eco-logic Series)~
SAP-MANの紹介についてはもう読んで下さりましたか?
それを読んでいただかないとこれにつながらないのです。
ま、要は製造過程で何かしらの理由により廃材となってしまった材を救おう!というエコティキプロジェクトです。
木材は生モノです。
とってもいい杢目!と思ってウクレレを作ってみたら目立つ節があった、とか。
まもなく完成!というところで割れやヒビが発見されたり、とか。
………とか。
まぁ理由はざまざま。それでも、ウクレレになれず廃材になってしまう資材はかなりあります。
そんな材も、もとは5Aランクのハワイアンコアだったりしたら…?
チョイ傷特価と同じような感覚でしょうか(どちらかというとワケ有り特価)
音もクオリティも問題ない。でもはじかれてしまう。はじかれた後は商品にはなれずに廃材と化す。
資源が無限ではない事は誰もが知っているはずなのに、なかなか直結して考えることができずにいたりしませんか。
今回はそんな『廃材』になる一歩手前でストップをかけていただいた材たちと対面し
どんなウクレレができるのかを改めて相談してまいりました!
そんな、『廃材』に片足突っ込んでる材をわざわざ一旦保管してくださっているT's Guitarさん。
それだけでもありがたいのに、いつのまにか専用BOXを用意して下さり、またいつのまにか専用BOXが大きくなっていたのでした…(笑)
この中にはびっくりするほどいい杢目、だけどサイズがほんの少し足りない、とか、丁度いいところにヒビが入ってしまっている、なんて材がたくさんありました。
これ、何かに活かせないか…
そんな閃きこそ、ワシさんの得意分野です!
今回出会ったとんでもない杢目の1枚に注目。
トップとバック、対になったその2枚のうち、片方だけが3分の1辺りで割れてしまっていました。
もう片方には全く問題ないのに、これも廃材です。
・・・本来ならね。
しかぁし!この男、そう簡単に捨てさせませんよ!!(笑)
全く問題ないほうの超絶カーリーさんには是非トップ材になってもらいましょう。
でも、割れた方は…?さすがにバックにも使えないし…
案ずることなかれ!
ヘッドのサイズならとれまっせ!ってことで、超絶カーリーなトップとヘッドのウクレレが出来上がるわけです。
こんな感じで、トップとバックが違う材でもしっかり組み合わせていきます。
ヘッドももちろん、この板のこの杢目をこの角度で入れてくれ!と言うワガママ放題な注文をさせていただきました。
でもそれがやはり作り手にも売り手にも買い手にも、
唯一の一本という思い入れを深くさせるんですよね。
私もきっと、この個体が完成したらウッキウキで説明しますね、ええ(笑)
番外編~手作業の色々~
本当に丁寧に丁寧に造られているT's Guitarさん、本当に隅から隅までお邪魔してしまいました…
塗装の現場を見せていただいたり
材のカットを見守らせていただいたり
皆さんの作業を見守ったり…(手伝え)
中でもマンゴー馬場氏に教えて頂いたバインディングのお話。
私は個人的に、サイドから見ると異材のバインディングで正面から見るとアバロンのパーフリングが入っている…
というような、1粒で2度おいしい的なデザインが好きでした。
そのデザインができるまで…の一連の流れを聞いた瞬間に、感動と感謝と尊敬があふれました…
・ボディに数ミリの溝(バインディング用)を彫る(ガイドはあるものの手作業)
・更に深さ違いの溝(パーフリング用)を彫る(ガイドはあるものの手作業)
・その溝に、アバロンなり異材なりのパーフリングやバインディングを巻いていく(完全手作業)
始めはうまくできなかった、とかなんとなく感覚がつかめるようになった、とか
ウクレレの販売店にいるだけでは絶対に聞けないお話を聞いて…
更に、実際にどうやっているのかを見せていただきながらお話を聞くと、手作業なんだろうなぁと漠然と思っていたものが
とんでもなく凄いものだったんだと実感するのです。これぞ職人技。
そんな本当に何も知らない私に、面倒くさがるでもなく本当に丁寧にいろいろと説明してくださったマンゴー馬場さん…
本当にありがとうございます。ウクレレの奥深さを知りました!
エピローグ~初工場見学を終えて~
ほんの数時間だったのに、まだまだ書ききれていないくらいたくさんのことを教えて頂き、たくさんの物を見せて頂き、
本当に勉強になりました。
普段何気なく手にしているウクレレが、どんな工程で出来ているのか。
どんな人がどんな思いで作っているのか。
店頭に並んでいるウクレレから、皆さんの笑顔が見えるようでとてもいい経験でした。
弾き手、買い手の皆さんと同じ目線でウクレレを見て、選んで、注文して。
T's Guitarさんとタンタン、タンタンとお客様皆様、そして皆様とT's Guitarさんが更に近付いた気がします。
ここに書ききれないたくさんのことは、皆様と店頭でアツく語り合いたいと思いますので
是非tkitkikとKakumae Ukuleleを実際にお手に取りにご来店ください。
きっと皆様にも、長野から届くT's Guitarさんのウクレレ愛が伝わると思います。
気になるウクレレがございましたらお早目にお問い合わせ・ご注文くださいね!
~ おまけ~
し「あの、すみません良きタイミングでトイレ休憩に…」
ワ『無理』
…(T-T)
勿論、ちゃんとSA寄ってくれましたからね!(笑)
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ゴッシー (金曜日, 19 7月 2019 22:12)
先日はどうも。風邪引きマスクマンです。やっぱカクマエはいいね!
買いたい。買う、買って、自分で。
(* ̄∇ ̄*)
またあそびいきまふ